ここブラジルでも聖アントニオは『失せもの』、『探し物』の名人です。でも、もうひとつ大きな奇跡を行
聖アントニオの信心は、ブラジルでは毎週火曜日です。週日にもかかわらず、早朝のミサにも夕方のミサにも信者達が、とくに若い人達(綺麗な女性達が多い)、若い夫婦(聖人の取次ぎで結ばれたのかも)、 年頃の娘さんや孫達を持つ夫婦や老人達、全ての年代の人達300人、400 人程が毎週火曜日、日曜日を思わせる人達がミサに来ます。若い人達の足を教会に向けさせるのに一役買っています。
こんなことを書くと、霊的な事を大切にしている人達に不謹慎だとか不純だとか言われそうです。また、人生にとって大切なことは霊性、精神性であり、教会は男女の交際のためにあるのではないと、お叱りを受けるような気がします。でも、全世界で、結婚しなければならない男女がどれほどいることでしょう。そんな若者たちをひきつけるのに、我等が聖アントニオが一役も二役も、いや幾万役、幾億役も担っていることに、同じフランシスコ会員として私は誇りに思うし、鼻高々です。我等が聖アントニオ、万歳!日本の教会もお堅いことを言わずに一般庶民の生活に足をつけ、そこに根を張り、聖アントニオにお願いしてみてはいかがでしょうか。
ブラジル人は聖アントニオに願をかけても聴いてもらえなかった時には、特に恋愛問題がうまく解決できない時には、洗面器に水を満たし、聖アントニオのご像を逆さまにして、頭を水につけて脅かすのだそうです。同僚の助祭にそのことを話したら、昔、ブラジル人は取次ぎを願って聴きいれられない時は、聖アントニオのご像をひもで縛って、井戸のそこにつるして聖人を脅していた

こんな話を聞いていると、聖アントニオがどんなに民衆の心の中にしみこんでいるかが理解できますが、ブラジル人がこんなにも聖アントニオをいじめていることは露知らず、私もこちらに来てから時どき聖人を脅していました。「私の願いを聞いていただけないのなら、毎週火曜日の聖人の信心を、ここの小教区から来週にでも打ち切る覚悟でいますよ。」と。すると、火曜日の朝のミサの前、直前になって、私の願いが聴きいれられたことが何度かありましたが、私たちの聖人がこんなにもブラジル人にいじめられているのなら、せめて私だけでもいじめるのをやめようと決心している今日この頃です。