2007年8月29日号

ブラジルの環境問題(1)

兄弟小川は、過去に何度かブラジル・アマゾン周辺の深刻な環境問題について便りを送ってくれています。最近送られてきたものを何回かに分けて掲載します。

【大豆のための諸設備】
北米の農業貿易商は、アマゾンの道路や農場に融資するばかりか、これらのアマゾンの要所要所に大豆生産を支えるに必要な全ての設備を建設しています。 

Cargill, ADM(Archer Daniels Midland),Bungeの三企業だけで23の穀物貯蔵庫とそのインフラ設備、産物を運び出す港など、それらはこの地方にある同じ設備の2/3に相当します。

これら3企業のうちでCargill がアマゾンの環境破壊にもっとも積極的です。この企業はアマゾンの自然環境の中に散らばって建設された彼らの13の穀物貯蔵庫のほかに、アマゾン州のとなり、パラー州のサンタレンを流れる大河パタジョー河に巨大な穀物出荷港を、何の許可もなく違法に建設しました。

Cargillは国道163号が貫通したら、このサンタレンの河港から年間2-3百万トンの大豆が輸出できるともくろんでいます。膨大な量の大豆の輸出のために必要な作付面積を増やすことは、必然  
的にこの地方の森林破壊につながっているのです。

大豆輸出のため、北方に道を開拓しようとするCargillは、地域の住民の反対を強引に押し切り、またブラジルの法律で定められている自然環境に及ぼす影響の調査さえもせず、そのために州都サンレンにある連邦公安局から法的に訴えられることも承知で、20,000,000ドルかけて穀物貯蔵庫を建設しました。

河港が建設中の2003年11月、裁判所は違法の決定をCargillに下しました。その翌月、公安調査委員は最終決定が下されるまで、Cargillに河港建設の即時中止と設備の取り壊しを要求して新たな法廷闘争を開始しました。2004年5月、連邦裁判官はCargillに自然環境への影響を調査することを命じましたが、Cargillはそれを拒否しました。

2006年2月、連邦裁判所は最終的にCargillに、河港周辺に限らずパラー州の西部地区全体に及ぶ自然環境への影響を調査することを裁定しましたが、それにもかかわらず現在も工事は続行中です。