土地の不法取得と奴隷状態の仕事
大豆生産にかかわる新天地を求める動きは数え切れないほどの土地不法取得を生みだしています。数百万ヘクタールにも及ぶ土地(偽の登記書類や武力で獲得したもの)が大農場主たちのものとされました。
この公的な土地の不法占拠による最大の犠牲者は原住民(インヂオ)と昔からその土地や森林を利用して生活していた人たちです。たとえば、北マット・グロッソ州のブラスノルテにあるメンベーカ農場は2003年以来、原住民マノキの土地8,000ヘクタールを大豆畑にするために不法に森林を伐採し続けています。ブラジルにおける奴隷状態で働く人の公的数字は約8,000から25,000人以上にのぼり、その大部分が北マット・グロッソ州とパラー州に集中しています。地元の貧しい住民と近隣の都市近郊からだまされて集められた人たちは遠隔地に連れてゆかれ、そこで借金地獄の状態にされ極悪の環境で働かされるのです。ブラジル官憲の目の届かない、保護できないところに連れて行かれるのです。
そこでは一日16時間、一週間一日の休みもなく働き、ベッドもシャワーもない、プラスチックのおおいで囲われたバラックの中で生活することを余儀なくされていました。料理やシャワー、そして飲料に使う水は牛たちが飲む水溜から引かれたもので、ディーゼル油や耕作機械の部品を洗浄するのに使う油を保存する酒樽に貯められていました。
農場を去ることのできない労働者は法外な値段で農場が売る食物を買わなければならず、それが負債となって政府関係者が現れるまで 奴隷の状態で働かされていたのです。