フィリピンのFDC訪問(2010年3月)

clip_image002 2010年3月8日から15日まで、フィリピンで聾者への奉仕をしている兄弟佐藤宝倉とフランシスカン・デフセンターを訪問し、今年度の奨学金の授与、保護者との会合、各学校の聾のクラス訪問、現在改装中の教室の工事の視察を行いました。

(デフセンター前の様子、兄弟佐藤がお出迎え)

今回は、カルバイヨグの小学校、高校の終業式前に訪問し、休学以外の奨学金受給者すべてと会うことができました。

また、工事中の教室の様子やセンターの経費削減のための対策などを見ることで、センターの運営状況が現在のところ順調であることなどを確認できた点で収穫の多い訪問でした。

3年前から行っている奨学金プロジェクトも順調に奨学金支援が集まっているため、2010年度も奨学金受給者が進級や進学できることになり、継続した支援をできるようにニュースレターやチラシなclip_image004どで呼びかけていきたいと感じました。

今回は子供たちの進級と同時に奨学金受給者のカルメラさんが無事クライストキング・カレッジを卒業したため、支援プロジェクトが3年で少しずつですが形になってきた印象を受けました。

こちらは公立小学校の聾のクラスの子供たち

それと同時に、考えさせられたのは、大学を卒業しても就職するためには、ハンデがあるので、職業訓練や研修が必要であることから、奨学金を在校生だけでなく研修生にも支給を検討しなければならないと感じました。これは次の課題といえます。

clip_image006センターの運営については、光熱費の削減の為の設備の改善がなされていました。たとえば、キッチンをガスからかまど式のオーブンに変えることで、ガス代を削減したり、水道も一部を井戸水に変えることで水道代の節約を始めています。また、経費の中で大きい部分が備品の買い替えなのですが、買い換える理由で多いのが備品の盗難による買い替えです。これを防ぐためにフェンスの拡張を行いました。小学生のクラスに手話で説明する兄弟佐藤)

センターの教室の改修工事も順調でした。去年、JOMAS(海外邦人宣教者活動援助後援会)の支援を申請して、教室の改修工事の費用が下りたので、現在この工事をしています。理由は、地域に開かれたデフセンターにするためには、多くの人が講義を聞いたり、集まれるスペースが必要なのと、聴覚障害の機材を設置して授業ができる教室が必要で整備が課題だったからです。まだ完成していませんが、そうした設備を備えた教室ができることで、デフセンターとして地域の聾者の必要性にも応える可能性が広がるといえるでしょう。